本研究室は2016年4月に日本工業大学の機械工学科で立ち上がりました。

【研究について】
光学は物理学のいち分野です。また、光は電磁波であり光通信にも利用されていることから、電気電子工学分野でもよく研究されています。機械工学では、形状の計測などの各種応用の手段として利用されています。しかし「光そのもの」を機械工学の観点で研究している研究室は多くはありません。私たちの研究室では「光そのもの」に関わりながら工学のいち分野を創出したいと考えています。

光の研究。それは機械工学とはすこし隔たりがあるように思えます。機械工学は実体のあるモノを作ったり動かしたりする分野です。人間が知覚したり想像しやすい成果が多い分野といえるでしょう。それに対して人間が感じられる光は色と強さだけ。光を応用するには、これだけでは不十分なので、数式で表します。たとえば、光が波というのは普通の生活ではなかなか知覚できません。得られた結果も、必ずしも人間の次元で想像しやすいものではなく、数字の並びや数式として知るだけも場合もあります。そんな光の世界ですが、機械工学のテイスト~人間の知覚・感覚・理解につながるモノ~を意識したいと思っています。光に関連しつつ、モノの製作や動作に関連する研究。直観的な人間の知覚や感覚、理解へつながる研究。そんな研究です。

【研究室における教育について】
上記の「そんな研究」とは、加工・制御・計測のことですね。よくある何の変哲もない研究分野のいくつかです。まわりくどい書き方をしました。でも、重要なのはそこに至る過程です。実際の研究でも過程が重要です。何を考えて、どういう結論を出したのか?それにしっかりと向き合ってほしいです。もちろん成果が大切ですが。

学生に研究で何をしたかを問うと、研究の進捗を求めると、何を出してくるか?組み立てた装置、実験で得られたデータや画像を出そうとします。たしかにモノができれば、何らかのデータが出れば、そこに作業の結果が実在するので研究をしているよう雰囲気を感じて、安心するのでしょう。でも、求めているのは雰囲気でも安心でもありません。着実な一歩です。雰囲気と安心のための成果物は、研究目的に向かって全く進んでいない場合も少なくありません。それよりは、得られたモノやデータがほんのわずかでも、目的に対して、何を考えて、どういう結論を出したのか?が理路整然としっかりと添えてあれば着実な一歩の可能性は高くなります。もしそれが「着実な一歩」でなければ、「理路整然」に綻びがあったのでしょう。もう一度、考えて悩んで「理路整然」作りましょう。研究は簡単ではありません。必ず成果が出るわけではありません。考えて悩んで着実な一歩を探るのです。もちろん成果が大切ですが。

【本研究室で研究を希望する場合】
一番多いのは、日本工業大学の機械工学科および機械工学専攻に入学し、研究室配属で本研究室を希望することです。成績が良い方が希望が通りやすくなる傾向があります。

他大学に入学した場合でも、その大学が認めた場合は学外での研究活動を認める場合があります。そのような場合に本研究室で研究を希望する場合は、先生経由または先生の紹介を受けたうえで相談してください。研究室の状況によりますが、受け入れられる場合があります。今までに、他大学の学部4年生と大学院生がそれぞれ1名ずつ、本研究室で研究をして卒業していきました。そのほかの選択肢もあると思います。