写真は,台所で使う「スポンジ」を拡大して,写真に撮ったものです.
こういった孔の沢山空いた構造を「多孔質体:Porous Material」と呼びます.
拡大してみると,ランダムさの中にある程度の規則性を持った美しい構造をしていることが分かります.
スポンジをCTスキャンで撮影し,そこから三次元の構造をコンピュータ上で合成すると,以下のような形になります.
こちらの方が,骨格構造がわかりやすいですね.よく見ると,骨格は主に4~6角形を組み合わせて構成されているようです.
スポンジは,「引っ張ったとき」と「潰したとき」の特性が大きく異なります.
下の動画は,数値シミュレーションによる解析の結果です.
赤くなっている線が,大きな力を受けている骨格です.
引っ張られたときには,変形と共に骨格が縦方向を向いていくことで,骨格が全員で協力して外からの力に抵抗しています.
一方,圧縮されたときには,一部分が負けてしまうと,その周囲に変形が広がっていきます.
引張変形に対しては「チームワーク」で対抗できますが,圧縮変形には「弱い部分」だけが負けてしまいます.
なかなかスポンジの世界も複雑です.
機械工学科 固体力学研究室(瀧澤英男)